今年最後+ワインクーラーについて

先日、毘沙門虫さんから、ワインクーラーについてのおたずねがありました。私の短いオオクワ飼育経験の中から、ワインクーラーの有用性(?)について記事にさせていただこうと思います。

2012年の無産地飼育からオオクワを始め、程なく能勢YGを知り、更にYGを含め大型成虫の作出には温度管理が必須であることも知りました。そこで、YG元年となる2014ブリードは、”ワインクーラー+NMサーモ”での飼育をしてみることにしました。

YG初年度、1本目は菌糸ボトルをワイン庫内ですし詰め管理。交換時、幼虫体重は20g台ばかりで見事に失敗。これは他の方のブログや昨年からの自身の飼育経過から、換気の悪さとサーモに連動した機器稼働音・振動によるところかと考えています。ただ、もう追試することはありませんからあくまで推測ですが。

2本目以降は換気を第一に考え、また半数1400ボトルになりそもそもワイン庫内に収まらないため、ボトルは全てスチールラックに並べました。3本目への交換時は少しは30gを超える幼虫が出てくれました。

しかし3本目への移行から羽化までの5-6か月間、大して恒温の工夫を施していないブリ部屋だったためか、2台のエアコンを駆使しても夜間早朝は10度前半、晴れた午後は25度前後と、全く温度制御ができませんでした。結果暴れが多発し、♂のみならず♀も不全を連発しました。この期間はワイン庫を含めた何らかの温室の必要性を感じました。

2年目以降はこれらの反省を踏まえ、ブリ部屋はどの窓も10mm弱の保温マットでふさぎ、1-2本目は室温でメタルラックで、3本目はワイン庫と簡易温室での管理としました。親虫の違いもありますが、2年目は1年目を上回る成果を得、また具体的な数まで記録していませんが不全も少なく済みました。3年目の2016も、途中経過は上々です。

ざっと1-3年目の違いを思い出してみましたが、ここでオオクワブリードでの温度管理と、その中でのワインクーラーの役割(の是非)を見直します。


1.温度管理と同等以上に換気とボトルの安静が重要!

1-2本目はボトル周囲の換気が、また羽化までの全ての時期でボトルのへの刺激(音・振動)が最小限であること、が何より大事に思います。先述のように再度比較実験をするつもりはありませんが、当方での1年目とそれ以降の幼虫体重経過を見ると、1-2本目時期にワインクーラー等を温度管理のために使用するのは、少なくとも室温管理(最低限24-27度程度の範囲でしょうか)以上のメリットはないと思います。ワインクーラーは出番なし!

2.3本目-羽化までは温度ブレを抑えたいが・・・

3本目に移行して冬温度も終えるといよいよ羽化ステージですが、ここでは私は、室温は低めとし、ワイン庫内をサーモ+ヒーターで管理することを心がけています(といっても2016でもこの方法でたったの2度目ですが)。ワインクーラーの”冷却機能”は、なるべく稼働させたくないです。音と振動の影響が嫌です。なのでこのステージも、室温の上振れが少ない寒い部屋さえあれば、各ブリーダーさんのブログで散見される”メタルラック+スタイロフォーム+サーモ+ヒーター”での自作温室で対応可能でワインクーラーは必須ではないと思います。本当は部屋全体の温湿度を制御できるのがベストなんでしょうね。


ここまで書くと結局”ワインクーラーは無用の長物?”のように思えますorz


ではワインクーラーのメリットはなんだろう?これまた私の主観で意見してみます。


1.12-3月の気温変化が大きく乾燥しやすい時期には有用

私は1軍♂幼虫と早期羽化♀はワインクーラー+サーモ+パネルヒーター、2軍♂はスチールラックを保温マットで囲んだ簡易温室で管理していますが、当然ながらワインクーラーの方が温度ブレ幅は小さいです(昇温開始まではやむを得ず冷却機能を使うことがあります)。またサーモのセンサーやパネルヒーターのコンセントをワインクーラーの扉で挟むので気密性は完全ではありません。そのせいかどうかわかりませんが、酸欠で暴れが多発するような印象も受けません(酸素濃度は測定していませんが)。また気密性が完全でない割には湿度は高めで、ボトルの乾燥劣化は無く、昇温期には除湿剤さえ必要になります。このように冬温度期間の室温上昇時に冷却を利用できる点・保温性が高い点はワイン庫のメリ ットで、ドアにコード等を挟むことで酸欠の恐れも比較的小さいと思われます。ですが、様々な温度帯を設けることも、自作温室でも不可能ではないと思います。もちろんワインクーラー(コンプレッサー・冷やし虫家等ペルチェ問わず)、自作温室とも、ある程度は室温の制御ができていることが前提だと思います。

因みに私の今年の飼育数は200頭後半、うち♂は134頭ですが、♂の半数34g以上を300Lクラスのワインクーラー2台に入れています(♂のすし詰めが嫌なので、♂ボトルは前回記事の写真のようにある程度間隔をとって並べています)。早期♀とまだ蛹の♀は、130Lクラスのクーラー2台に、それぞれの温度帯で入れています(130Lの2台は、後に2017の親起こし・ペアリング・産卵用となります)。なので飼育数によっては複数の、あるいは容量の大きなクーラーや温室が必要です

2.菌糸ブロック・ボトルの保存

設定温度帯も8-18度のクーラーが多く、冷蔵庫と比べて庫内の凹凸がなく、菌床の保存には向きます。この際庫内後方の冷却部分の過冷却に注意しないといけません。安物コンプレッサー型では霜が付くほど冷やされ、近くの菌床が死にます。私は保温シートや段ボールを介在させて凍結・過冷却を防いでいます。

実際にはペアリング・産卵や前年幼虫の羽化をすべて完了させないとワイン庫は空きませんから、菌床保存に使えるのは、正味2本目交換後の3カ月くらいですけどね(本当は2本目用の菌床を春に買いだめして、夏のクール送料を抑えたいところですが)。

あとはワインクーラーなら”温室自作”の手間が省けることくらいかな?

購入に関しては予算が潤沢な方は新品でもいいですが、所詮入れるのは虫、思わぬ掘り出し物もありますので、ヤフオクなどで中古を探すのもいいと思います。大型はスペースも必要ですので注意が必要です。

因みにお勧めは私が使用しているコレ↓
http://www.bestgate.net/winecellar_haier_jqf298a.html

セラーでなくクーラーなので保湿機能はありませんが過冷却も少なく菌床の保管にも便利です。外観の傷や内部の汚れが目立って、冷却機能が保たれた中古なんかは安く入手できると思われ狙い目です。
ワインクーラーたち1
とりとめなくまとまりなくワインクーラーについての私見を述べてみました。ご参考になれば幸いです。また他に温室やワインクーラーをご使用の方、ご意見やアドバイスなどあればぜひよろしくお願いしますm( )m


恐らく今年最後の記事です。今年も皆様お世話になりました。まだ2016の作業が続く方もおられると思いますが頑張ってください。そして初夏にはみんなで自己記録を更新、底上げしていきましょう!それではよいお年を!
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[ 2016/12/29 15:37 ] 飼育 | TB(-) | CM(4)

2016作業終了

先日といっても結構経過しましたが、2016ブリードに関する作業はほぼ終了しました。あとは時期が来れば昇温、頃合いを見て掘出し程度です。

他所様の交換を拝見すると当方のそれはまさに前座でしたが、昨年とは比較にならない底上げに大満足です(20g台は15%弱、35gUPは35%くらいだったかな?)。昨年までは交換のたびに落ちているボトルが散見されたのですが、今年は非常に少なかったです。気を付けたことは掘出し-計量-即投入、と尻を噛む暇を与えなかったこと?尻を噛みそうな幼虫は頭-うなじをのけぞるようにスパテルで刺激してそそくさと投入しました。勿論偶然も大きな要因ですけどね^^;

特に期待していた16A3ラインの40gUPだけ、写真をとっていましたので記念に。
16A3-12(866系、本家1401♂850×当方15A1(1312インライン)早期♀525):S3-S3で33gから。
16A3-12-422.jpg

16A3-22(866系、本家1401♂850×当方15A1(1312インライン)早期♀525):HS-HSで34.8gから。
16A3-22-423.jpg
このラインも16B1に負けず、当方ではいい数字になりました。

一つミスをしたのは12/上旬の寒い日に、既にワインクーラー内も17-18度になってしまったこと。21度で下旬まで、と思っていましたが、一旦下げたものを加温するのも嫌なので、もうそのまま冬温度で1/中旬頃から昇温することにしました。側面に子実体が見られるボトルも既に複数あります^^;が、ワイン庫内は湿度が高く、乾燥劣化が無い分持ちは良くなると信じて、昨年同様このまま羽化まで行きます。

ワイン庫1
2016♂1軍1

ワイン庫2
2016♂1軍2



*****

11/26に期待ラインの早期♀を掘出し、ガッカリ。どうしても諦められず、優しい妻の許可を得て、11/27にwaizuさんの手法、マット投入+加温(以下W-method)にチャレンジしました。流石に前日ボトル交換の幼虫掘出しは困難を極めました。また体重も4g前後は減orz。でもやるしかない!

waizuさんにはマットの充分な加湿をアドバイスされ、プレス機でつめると”グジュッ”という程度には加水しました。因みに加水は一昨年から未使用だったFe3+3-4本と六甲のおいしい水(笑)そしてREGAさんとその御友人のご意見を聞き、”狭小スペースのショック”にも期待し、全て500ボトルを使用。

12/下旬の写真が下です。因みに左下の16A3-11は蛹化したものの既に真黒に変化していました(涙)大き目の幼虫でしたが、力が無かったのでしょう。
waizu method2

waizu method1
みんなあまり暴れずに、しかもほぼ露天掘りの状態で蛹化しました。16A3はもう無理っぽいですが、16A2は無事羽化すれば少し余裕ができそうです。

孵化後の時間経過も影響していると思われますが、マットボトルは大変魅力的な手法と感じました。来年は期待ラインの♀も少し引っ張って、主に500ボトルでのW-methodで早期に挑むことにします。うまくいけば11/下-12/上羽化を狙うことも可能?
[ 2016/12/26 23:02 ] 2016ブリード | TB(-) | CM(6)